100 coffee bean cup

2005年の春先に四国の愛媛県で、友人3人と「熊猫研究所」なる会を
結成した。
「買い物で世界を変えよう」を合い言葉に、フェアトレード製品やエコ
雑貨を販売、紹介している。
声高に環境を叫ぶというものではなく、身近な買い物からフェアトレード
を広めたいということが始りであった。
特に家庭の財布をにぎる同じ立場のおんな達に、日頃の何気ない買い物が
世界の問題に直結しているということに気づいて欲しいというねらいも
あった。
メンバーはまだまだ小さい子どもを持つ主婦4人組だから、店鋪はなく、
たいていは子どもも連れて青空市やエコ関係のイベントに時折出没して、
地道に細々と活動を続けてきた。
私は早々に岐阜に引っ越しがあり、メンバーといえども実際はチラシ制作
などのお手伝いぐらいしかできていないが、他のメンバーは実に4年近く、
暑い日も寒い日も重たい荷物を運んでイベントに出店し、いろんな人と
出会い、関係を築き、フェアトレードやエコの精神を広めてきた。
頭の下がる思いである。
その熊猫研究所が初めてオリジナルの商品を作った。
題して「100 coffee bean cup」。
「コーヒーの真実」というドキュメンタリー映画を見られた方はご存じかと
思うが、私達のくつろぎの時間になくてはならない飲み物・コーヒーに、
搾取と貧困が隠されているのを、どれだけの人が知っているだろうか?
コーヒー100に対して農家の取り分はたったの3%に過ぎない。
コーヒーにしてもチョコレートにしてもそうだが、先進国の私達の幸せで
豊かな時間の裏には、貧困であえいでいる沢山の人の姿がある。
それを、コーヒータイムに思い出し、会話のきっかけとなる何か、ツールを
作れないかということで生まれたのがこのコーヒーカップである。
デザインは、愛媛県在住の版画家、スミダヒロミさんにお願いし、カップ
本体は愛媛県の伝統工芸である砥部焼きの工房(すこし屋さん)でろくろ
でひいてもらった。100個配置されたコーヒー豆は印刷ではなく、スミダ
さん特製のスタンプで一個一個スミダさんと熊猫メンバーで絵付けしている。
自分を好きになることができなければ他者を好きになることはできないだろう。
自分を認めることができなければ他者を認めることはできないだろう。
私達の文化に誇りを持つことは、他の国の文化を尊重する第一歩と思う。
試作品をひとつ送ってもらったが、手におさまる具合といい、色といい、
いそいそとコーヒー豆を焙煎したくなる素敵なカップであった。
明日1/11日曜日、手作り青空市、いっぺんさん(愛媛県松山市道後)にて
初お目見えするそうなので、お近くの方はお運びいただければ幸いです。
当日はカップの販売だけでなく、このカップでフェアトレードコーヒーと
フェアトレードチョコを味わっていただくこともできるようです。
熊猫研究所
http://kumanekok.exblog.jp/
手作り青空市 いっぺんさん
http://www.asiafilm.info/action/ippen/index.html
映画「コーヒーの真実」公式サイト
http://www.uplink.co.jp/oishiicoffee/

絵付けして乾燥しているところ