折り紙宇宙 布施知子さんと川村みゆきさん

小物作りを考えるのは、洋裁というよりは折り紙に近いような気がします。
どこから縫いはじめて、どこで折っておいて、どこから返すか。
布は布でも服作りの教科書に載っているようなこととは、また違う場所にいるのです。


折り紙作家さんの、特に多面体などをやっている方の本など見ますと、
(多面といってもくす玉だけではありません)
その宇宙的な世界にまず圧倒され、
この方の頭の中はどういう構造になっているのか
パーツを20個も30個もジョイントさせて完成する、
(驚くことに、すべて「手」という差込部分と、それを差し入れるポケット部分があり、正確に作ればのりや接着剤が要らないということです!)
何がどうなってこんなことを思いついているのかと
感心したり首をひねったりするばかりです。
中でもこのおふたりの折り紙作家の女性は以前から気になる存在でした。
布施知子さんは、山の中で暮らしながら、新しい折り方を考えるユニット折り紙の女王。
川村みゆきさんは理学修士の折り紙作家。
夏休みに多面体折り紙に挑戦してみます?
普通の折り紙ではなくて、コシのある厚めのペーパーで作るのがいいと思います。

ユニット折り紙エッセンス・布施知子のユニット集成 立方体、12面体、20面体から星組みまで

箱のおりがみ/布施知子

ひまなし山暮らし/布施知子


↑布施さんがどんな暮らしをされているのか?気になったら…

はじめての多面体おりがみ /川村みゆき


↑とても美しくわかりやすい入門書

多面体の折紙・正多面体・準正多面体およびその双対/川村みゆき


↑素粒子研究のかたわら、多面体ユニット折り紙の本を自費出版したもの。数式が並んで難解な印象ですが、川村さんの控えめな語りの部分がとても美しい。
「ここにあるのは一枚の宇宙
 我々のすべきことは
 ただ
 一本の筋(みち)をみつけることだけ」
「数学は真理と美の両方を兼ね備えているといわれますが、
 そんなものは自分でやってみなければ分からないじゃありませんか」
「さて一体全体これらのものを創作折り紙と呼んでいいものでしょうか?
 正多面体は紀元前から研究されていますし、
 立方体や正八面体などは、人類が出現しようがしまいが、
 地球という惑星があろうがなかろうが、
 結晶構造等の形で自然に存在してたでしょう-----–」
(多面体の折紙・正多面体・準正多面体およびその双対/川村みゆき より)

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