柱時計は生きている

引っ越しのトラックに数時間揺られただけなのに、柱時計の調子がしばらく
悪かったのです。
とにかく何度合わせても、進む、進む。すごい進み方です。
2ケ月間ほどは家族の誰もが、彼の時刻を信用できないでいました。
新生活に慣れようとジタバタしている様子は私そのもののようでした。
時計に人格のようなものがあるのでしょうか?
人間のように何か感じたりするのでしょうか?
また、一緒に住んでいる者の影響など受けたりするのでしょうか?
ところが、最近、彼、柱時計は落ち着いてきました。
進みすぎることがなくなったのです。
一分ぐらい遅れる、そのぐらいがいい感じです。
家のなかもそれぞれ、随分落ち着いてきました。
不思議なものです。