メレンゲ菓子

久しぶりにメレンゲを焼いてみた。
メレンゲのいいところは、めったに重視されない卵の白身が、
手間と時間をかければすっごく素敵なお菓子に変身することだ。
まさに庶民から貴族に生まれ変わるように…
レトロな姿もよろしい。気品さえ感じる。
(だいたいカスタードクリームでも作ってみなさい、卵黄に見放された卵白たちの
さみしげな姿といったら。)
さて実は私の初メレンゲは小学校時代にさかのぼる。
当時お菓子作りに興味を持ちはじめた私に9歳年上の兄がお菓子作りの本を買ってきてくれた。
今見てもナイスなセレクト、宮川敏子先生の「洋菓子入門」という本である。
その1ページにメレンゲが載っていたのだ。
1970年代の和歌山のド田舎で洋菓子の本をひもとく少女。
載っているお菓子は見たことも食べたこともないお菓子ばかりであった。
当時は生クリームとかはまだ一般的でなかったし、田舎には到底なかった。
(やっとこさプレーンヨーグルトが入手できたほどである)
当時を物語るかのようにこの本に載っているデコレーションケーキも
なんとバタークリームである!!
メレンゲは卵白と砂糖だけで作れるシンプルなお菓子。
焼き上げる時間の長さ(2〜3時間)さえ我慢できればね。
焼き上がったメレンゲは甘〜くて軽くて不思議な美味しさ。
私はちょっと茶色っぽくなるまで焼くのが好きだけど、やっぱり白く焼き上げるのがきれい。
食べているとなんだかヤギになった気持ちがするのは、
ちょっぴり紙っぽい味がするからさ。